個別サポートを受けている方(Aさん)からの質問の回答です。
みなさんにもお伝えしたほうが良い内容かなと思い掲載します。
化学反応式の考え方、さらに言えば捉え方です。
すぐ役立つものは書いていませんが、
案外長く役立つかもしれません。
特に、大学でも理系を選択するつもりの方はなおさらです。
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そもそも化学反応式は完璧な表現ではありません。
「反応のはじめとおわり」を示しているに過ぎません。
上述のAl2O3の反応にしても、反応の流れを順に追うと1つの式では表せません。
さらに、状況も正確には表していません。
沈殿物が良い例(悪い例?)で、
反応式中で AgClは白色沈殿ですが、NaClは沈殿していません。
しかし、反応式では同じように書きます。
したがって、反応式に意味のすべてを求めてはいけません。
大胆に言ってしまえば、ごく限られた情報しか書かれていません。
反応の流れも反応後の状況もそこには書かれていません。
反応の流れは「反応機構」と言って、大学に入ると勉強します。
反応機構は難しく、人類が扱っている反応で解明されていない反応機構もまだまだあるそうです。
高校生がすべての反応の流れを把握する必要はありません。
高校化学で反応機構が話題になるのは、主に有機化学です。
Aさんに先に言っておきますが、反応機構にこだわり過ぎてはいけません。
理由は簡単です。相当な時間がかかるからです。
話はそれますが、Aさんが大学受験を突破する場合、
英語と数学で絶対に点数を取らなくてはいけません。
二次試験の配点を見れば分かると思います。
無機化学と有機化学の理屈は煩雑です。
理論化学の勉強の仕方と同じようにはできません。
「理論化学では点が取れたのに、無機化学から点が取れなくなった。先生なんで?」
と言ってくる生徒は過去にいました。
当然です。勉強の仕方を変えなくてはいけないからです。
話を戻します。
無機化学の反応式に意味のすべてを求めてはいけません。
無機化学を学習するときの具体的な対応は、
① 化学式を覚える
② 物質の性質を覚える
(酸の強弱、塩基の強弱、塩、錯イオン、安定か否か・・・etc)
③ 反応の理論と①と②の情報から反応式を読解して覚える
①、②、③と同時進行でやるべきこと、それは演習です。
演習という実戦を通じて、①、②、③が自分のモノになります。
Aさんは③への意欲が強いので、それだけで化学に向いています。
しかし、演習があってこそ③の反応の理論も生きてくるので、
無機化学では十分な演習に取り組んでから、改めて③にチャレンジすると相当できるようになると思います。
理論の視点と十分な演習が、今回お送りするサポートです(来週中には必ず届きます)。
理論の視点は使い勝手の良いものだけにしました。理解の足しにしてください。
かなりくどくなってしまいましたが、勉強の仕方が少しちがうだけでパフォーマンスもかなり変わってきます。
これからも良い学習を。
大村
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無機化学が最も高校生泣かせですね。
私は理論化学が好きです。
無機化学は工業的製法の話などはロマンもあっておもしろいですけど、沈殿物の色などははっきり言って好きではないですね。
申し訳ないことに、サイトのページも無機化学は現状少ないですね。
ゴロ合わせなども駆使して、少しでもうまいやり方にトライしています。私が知っているのは、両性元素の「ああすんなりと・・・」や硫化物の「うす紅のウーマンが・・・」くらいですね。
「ここ教えて!!」
があれば、連絡ください。
■質問ページ(
http://kagakuimage.com/contact-situmon.html)